卑怯ひきよう)” の例文
よし匿名かくしななりとも、このに感じは変るまじ。今日まで封じを解かざりしは、我れながら心強しと誇りたるあさはかさよ。胸のなやみに射る矢のおそろしく、思へば卑怯ひきよう振舞ふるまひなりし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
又貴方の御迷惑に成る秘密をもらしましたところで、かなはない願が愜ふ訳ではないので御座いませう。どう思召してゐらつしやるか存じませんけれど、私それ程卑怯ひきような女ではないつもりで御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
卑怯ひきような彼等は
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)