千行ちすぢ)” の例文
而れども言語の未だ血肉とならざりし世にありし靈魂の王たる人々のこゝにあるを見るにおよびて、我眼は千行ちすぢの涙を流しつ。
エリスが生ける屍を抱きて千行ちすぢの涙を濺ぎしは幾度ぞ。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
我はアンヒイゼス(エネエアスの父)が靈の地下に安からんことを勉めき。これを聞きて我涙は千行ちすぢに下りぬ。この時萬客聲を呑みてその感の我に同じきを證したり。
エリスが生けるかばねを抱きて千行ちすぢの涙をそゝぎしは幾度ぞ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
千行ちすぢの涙をかばねの上にそゝぎ、又聲ふりしぼりて、け、わが心の妻よ、われは誓ひて復た此世の女子によしめとらじと呼び、我指にめたりし環をきて、そを屍の指にうつし、頭を俯して屍の額に接吻しつ。