千手院せんじゅいん)” の例文
「いいやいや。にえみだれて刃みだれざるは上作なりと申す。およそ直刃すぐはに足なく、位よきは包永かねなが新藤五しんとうご千手院せんじゅいん粟田口あわたぐち——。」
寛永相合傘 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もう二年越しも、きびしい鹿垣ししがきの中に一切の出入りを禁じられている千手院せんじゅいんの森だった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大熱に苦しみうめく入道の声が侍所まで聞えるとか、百人の人夫に千手院せんじゅいんの冷水をくませて石の船に湛えては冷やしているが、水はたちまち湯となってたぎりたってしまうとか、ゆうべも
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)