勃然むッくり)” の例文
と、折柄おりから絶入るように啼入るいぬの声に、私は我知らず勃然むッくり起上ったが、何だか一人では可怕おッかないような気がして
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
帰った人は丁度くぐりを潜る所で、まず黒の山高帽がヌッと入って、続いて縞のズボンに靴の先がチラリと見えたかと思うと、渋紙色した髭面ひげつら勃然むッくり仰向あおむいたから、急いで首を引込ひッこめたけれど
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)