つとめ)” の例文
※才せんさいわたくしの如きものが敢て文を作れば、その選ぶ所の対象の何たるを問わず、またつとめて論評にわたることを避くるにかかわらず、僭越は免れざる所である。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或時期の詩人はさういふ言を以て自分の仕事を恥かしくないものにしようとつとめたものだ。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
わたくしは筆をるに当つて事実を伝ふることをもつぱらにし、つとめて叙事の想像にわたることを避けた。客観の上に立脚することを欲して、復主観をほしいまゝにすることを欲せなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)