“前窓”の読み方と例文
読み方割合
フロント100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
両国橋を渡りかけるころ、前窓フロントのガラスに、雨のしずくが、白い筋をひきはじめた。脇窓から、寒むいろの大川の水が見える。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
小さな階段をいくつもあがって、そろそろだいこんがくたびれかけたころ、旅客機の操縦室のような大きな前窓フロントのあるところへたどりついた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
川崎をすぎると、前窓フロントにあたる風の音が強くなってきた。沖に白く波がしらがたち、倉庫の尾根の上で、群れ鳩が風にさからいながら輪をかいている。
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)