切抜きりぬき)” の例文
旧字:切拔
ですから鶏肉を使う商売の巧者な人は切抜きりぬきいくらという相場で買います。即ち鶏の前胃を切抜いて正味の重量をかけて買います。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それで私も知らずにいたし、その報道の切抜きりぬきなども持っていない。恐らく極く小さく記事が載ったのではなかっただろうか。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
油井あぶらい伯爵の遺稿を整理していた山田三造さんぞうは、机の上に積み重ねた新聞雑誌の切抜きりぬきや、原稿紙などに書いたものを、あれ、これ、と眼をとおして、それに朱筆しゅふでを入れていた。
雨夜草紙 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
切抜きりぬき帖を開いてみると、それは十二年十一月の『東京朝日』に書いたものである。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「日本首相原敬被刺」と報じたる上海新聞しやんはいしんぶん切抜きりぬきしまふ (六日)
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)