“出面”の読み方と例文
読み方割合
でめん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鰊場かせぎの出面でめんたちは近処の農村から続々と入りこんでくる。——どこへ行っても話は今年の鰊漁の予想でもちきりだ。漁夫たちは期せずして勇み立った。
鰊漁場 (新字新仮名) / 島木健作(著)
その町筋は車力や出面でめん(労働者の地方名)や雑穀商などが、ことに夕刻は忙がしく行き来している所なのだが、その奇妙な物売だけはことに柿江の注意をいた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
薄暗いすみの方で、袢天はんてんを着、股引ももひきをはいた、風呂敷を三角にかぶった女出面でめんらしい母親が、林檎りんごの皮をむいて、棚に腹んいになっている子供に食わしてやっていた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)