こほ)” の例文
雪の坂路を、馬車は右に左にガタリ/\と揺れつゝ上り行く、馬の吐息こほりて煙の如し、夜は既に十時に近からんとす
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
冬ひと日堪へてありしか池水のこほれるめんに風の吹き当つ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「狐と間違へられては大変ですネ」と篠田は莞然くわんぜんわらひ傾けつ、かまちに腰打ち掛けて雪にこほれる草鞋わらぢひも解かんとす
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
夜は暗し皿なる鰯こほれるが片照る青き脊すぢそろへぬ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)