冗漫じょうまん)” の例文
その著しき例は小説の場合であって、時に、冗漫じょうまんなる描写と、筋の変化と、興味を強めるために道草をふけることを余儀なくされることがある。
たゞいたずらに冗漫じょうまん饒舌じょうぜつで、にもつかない事を仰山ぎょうさんにたどたどしく書いて居るとしか思われなかった。オセロに就いても、全く同様の感じがした。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
二幕目お蔦部屋はお蔦が不義の疑を受けて召仕に遺物分かたみわけする処なるが、冗漫じょうまんなれば今回の如く除きし方よし。
なおこれから書く事も、あるいは冗漫じょうまんそしりを免れないものかも知れません。
二つの手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)