其衣それ)” の例文
で、昼御膳を其家そこで済まし布施ふせには金と法衣を一枚貰いました。其衣それは羊毛でこしらえた赤い立派な物で、買うと三十五円位するそうです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
丹誠一つで着させても着させ栄えなきばかりでなく見とも無いほど針目勝ち、それを先刻は頑是ない幼心といひながら、母様其衣それは誰がのぢや、小いからはおれ衣服べゞ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それから自分の着て居る着物はれては居りますが、其衣それも帯を解いて脱いでしまって向うの岸へほうりつけ下着もその通りに投りつけて丸裸体になりましたが
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
丹誠一つで着させても着させえなきばかりでなく見ともないほど針目がち、それを先刻さっき頑是がんぜない幼な心といいながら、母様其衣それは誰がのじゃ、小さいからはおれ衣服べべ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)