幕府の老中から通知があって、伊達陸奥守だてむつのかみの一族伊達兵部少輔ひょうぶしょうゆう、同じく宿老しゅくろうの大条兵庫、茂庭周防もにわすおう、片倉小十郎、原田甲斐かい
中でも松平兵部少輔ひょうぶしょうゆうは、ここへかつぎこむ途中から、最も親切にいたわったので、わき眼にも、情誼のあつさが忍ばれたそうである。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
公儀御書院番を送ったあとには、大坂御番頭ごばんがしらの松平兵部少輔ひょうぶしょうゆう肥前平戸ひぜんひらどの藩主とを同日に迎えた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つまり兵部少輔ひょうぶしょうゆうの力をかりて兵部少輔を抑える、という立場に立たれることを、と新左衛門は云った。
「おれたちに柿崎とはなれて扶持を取らぬかと、さそいに来た人があったろう」と内蔵助が云った、「おれはあの人に会った、あの人は新妻隼人にいづまはやとといって、伊達家の一門、兵部少輔ひょうぶしょうゆう宗勝侯の用人だ」