全然さらり)” の例文
紅蓮白蓮のにほひゆかしく衣袂たもとに裾に薫り来て、浮葉に露の玉ゆらぎ立葉に風のそよける面白の夏の眺望ながめは、赤蜻蛉菱藻ひしもなぶり初霜向ふが岡の樹梢こずゑを染めてより全然さらりと無くなつたれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
紅蓮白蓮ぐれんびゃくれんにおいゆかしく衣袂たもとすそかおり来て、浮葉に露の玉ゆらぎ立葉に風のそよ吹ける面白の夏の眺望ながめは、赤蜻蛉あかとんぼ菱藻ひしもなぶり初霜向うが岡の樹梢こずえを染めてより全然さらりとなくなったれど
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)