“全姿”の読み方と例文
読み方割合
ぜんし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、ようやく、全姿ぜんしをせまい土間に見せて、そこへ茶盆ちゃぼん土瓶どびんの湯をおくと、もうあわてて帰ろうとした。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その全姿ぜんしをあらわすとともに、とびついて、蛾次郎がじろうの手にある短銃たんじゅうをもぎとろうとした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼自身、その居どころを告げるような大声を不意に発して、全姿ぜんしを鹿のごとく躍らせたときは、もうその影を庭番の武士に見つけられて、うしろから組みつかれていたときだった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)