入念にゅうねん)” の例文
入念にゅうねんにしらべましたが、長年、貴金属品をあつかっている同氏には、すぐさま、それがぜんぶ、ほんものの黄金であることがわかりました。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すみれ嬢は、トランクの中をめんばかりにして入念にゅうねんに改めた。彼女が用を終って顔をあげたのを見ると、そのおもてにはほっとした色があった。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また、城中五千のいじらしき者をお救い給われと、入念にゅうねんのごあいさつでありました
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その代りに仏具のような強請ねだられっこない品物は特に入念にゅうねん吟味ぎんみして
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
動物園にはいったとき、この辺に待ち伏せしているのではないかと、入念にゅうねんに見廻したが、どこにもそれらしい姿はなかった。精養軒の出入りにも、怪しい人影は見えなかった。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)