のう)” の例文
ああこれを思い、彼を想うて、うた潸然さんぜんたるのみ。ああいずれの日かのうが素志を達するを得ん、ただ儂これを怨むのみ、これを悲しむのみ、ああ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
就中なかんずく儂の、最も感情を惹起じゃっきせしは、新聞、集会、言論の条例を設け、天賦てんぷの三大自由権を剥奪はくだつし、あまつさのうらの生来せいらいかつて聞かざる諸税を課せし事なり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
この報たる実にのうらのためにすこぶる凶報なるを以て、やや失望すといえども、なんぞ中途にして廃せん、なお一層の困難をきたすも、精神一到何事か成らざらん。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)