儀助ぎすけ)” の例文
問屋の九太夫くだゆう、年寄役の儀助ぎすけ、同役の新七、同じく与次衛門よじえもん、これらの宿役人仲間から組頭くみがしらのものはおろか、ほとんど村じゅう総がかりで事に当たった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
儀助ぎすけ、儀助っ、おれだ、木村丈八だ。——まだ起きていないのか、急いでここを開けてくれ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは金兵衛と桝田屋ますだや儀助ぎすけ二人ふたりが特に多くの金高を引き受けたというので、その挨拶の意味のものだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「よく何ともござりませんでしたな。この渓流の出るところが保津川ほづがわの上流でござります。わしはこれから一里半ばかり下の深谷村の儀助ぎすけというものでござりますが、まあわしのところで少しおやすみなさるがようがすだ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)