備前屋びぜんや)” の例文
師走しわすも押し詰まったころになると、中津川の備前屋びぜんや親仁おやじが十日あまりも馬籠へ来て泊まっていて、町中へ小貸こがしなどした。その金でようやく村のものが年を越したくらいの土地がらであった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)