偏袒かたはだぬぎ)” の例文
これにて「あゝ」とくるしみ、髻節もとどりをつかまへられしまま一つ廻る中に右の偏袒かたはだぬぎとなる。ここにてまた左の下腹につつこまる。
小金吾が取れずといふに「なあに、造作ぞうさはございません、そつちへよつておつもりを気を付けてお出なさい」と華道はなみちのすつぽん辺まで来て、右の偏袒かたはだぬぎとなり
これから往く所があると偏袒かたはだぬぎとなり、着物の前をはだけ、酒樽をもつて暴れ出し、玄関にて仲間ちゅうげんどもを相手に打合ふ間、頭のぎりぎりより足の爪先まで生酔なまよいならぬ所なく
千代が振かへると刀ををさめ「ふゝゝゝ」と笑ひ、次に右の偏袒かたはだぬぎになり、たすきをかけし襦袢を見せて、切りかけ、二、三度外され、千代が下手に膝をつき文庫にて白刃をうくる仕草あり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
出のこしらえは弁慶の単衣ひとえに三尺を締め、手拭を浅く輪の様にしてむこう鉢巻をなし、とめをやや左に寄せV字状になし、右の偏袒かたはだぬぎになりて白木綿の腹巻を見せ、裾を高く尻端折し、袖をたくし上げ