偈文げもん)” の例文
古来伝うるところの偈文げもんには、「迷うがゆえに三界さんがい常あり、悟るがゆえに十方空なり。本来東西なし、いずれの所にか南北あらん」
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
父母ちゝはゝのおん為に。経の偈文げもん謄写かきうつして。前なる山川におし流し。春は花を手折たをりて。仏に手向たむけ奉り。秋は入る月にうそぶきて。そゞろ西天にしのそらこふめり。
仏語に「迷うがゆえに三界さんがい常あり、悟るがゆえに十方空なり。本来東西なし。いずれの所にか南北あらん」とあるは、鬼門の迷信を諭すに最も適切の偈文げもんであると思う。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)