わたし)” の例文
「これということもございませんが、何んだかわたしにはあの婦人が変に小気味悪く思われましてな、可く無いことが起こりましょう。殿お退けなさりませ」
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
釧路の西幣舞町にしぬさまいまちです。葬儀屋そうぎやをやってます。エ、エ、わたしとはごく懇意こんいで、つい先月も遊びに往って来ました
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
やつてます。エ、エ、わたしとはごく懇意で、つい先月も遊びに往つて來ました
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
……恋を失った口惜しさにわたしは頭の毛をむしりながら林の中を走っていました。その時ヒョッコリあなた様にお目にかかることが出来ました。わたしは一眼あなた様を見た時すぐに懐かしく存じました。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)