俗気ぞっけ)” の例文
「お上品ぶっているかれらの悪口は、いつも、先生の構図の雄大さを、こけおどしといい、盛上げ彩色の豪壮を、俗気ぞっけとよび、細かい筆致は、土佐の画法から盗んだものと申しまする」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人あるじの入道は信仰生活をする精神的な人物で、俗気ぞっけのない愛すべき男であるが、溺愛できあいする一人娘のことでは、源氏の迷惑に思うことを知らずに、注意を引こうとする言葉もおりおりらすのである。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)