何地いづち)” の例文
いとほしさに三日四日は過しぬれど、何地いづちの人ともさだかならぬに、あるじも思ひがけぬあやまりし出でて、ここちまどひ侍りぬといふ。
『こはうつゝとも覺え候はぬものかな。扨も屋島をば何としてのがれ出でさせ給ひけん。當今あめが下は源氏のせいちぬるに、そも何地いづちを指しての御旅路おんたびぢにて候やらん』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
一一四刀自とじの君の病み給ふもいとことわりなるものを。そも一一五ふる人は何人にて、家は何地いづちに住ませ給ふや。女いふ。
一〇〇眠蔵めんざうより一〇一痩槁やせがれたる僧の一〇二よわ々とあゆみ出で、からびたる声して、御僧は何地いづちへ通るとてここに来るや。