佐備さび)” の例文
「そのことは今も、これへ集まった和田、松尾、南江、神宮寺、佐備さび、橋本らの部将が、口をそろえてわしにすすめていたところだ。……だが、待て」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「留守か。では爺、そちが下赤坂しもあかさかの城へひきつれて行け。そして物具もののぐ奉行の佐備さび正安へ渡すがよい。さきにも諸職の工匠たくみが入っていること。正安が心得おろう」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが、遠くは麓の観心寺や佐備さび、天野から、なお視界の外の裏金剛の抜ケ道にまであるのである。寄手の総軍馬、数十万と号されても、眼ではそうかと信じられる。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正季は曲輪くるわの内へ入って、物具もののぐ奉行の佐備さび正安に会い、やがてまた、ただ一人で、外曲輪そとぐるわのガタガタする長い板廊下を踏んで、物具倉もののぐぐらと共にあるだだッ広い武者溜むしゃだまりのゆかを覗きに行った。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐備さびごう龍泉りゅうせんの里という。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)