伏波ふくは)” の例文
今のところ昔の伏波ふくは将軍の如く極めて健康で若い時と余り変りはありません、いつか「眼もよい歯もよい足腰達者うんと働ここの御代みよに」
「ただ後漢の時代に、伏波ふくは将軍馬援ばえんという者だけは、ここへ来たことがあるそうだが、以来、いかなる英雄の軍でもこの洞界を通りきった者はないのだ」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来この路博徳ろはくとくという男は古くから霍去病かくきょへいの部下として軍に従い、邳離侯ふりこうにまで封ぜられ、ことに十二年前には伏波ふくは将軍として十万の兵を率いて南越なんえつを滅ぼした老将である。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
もと、漢帝に仕えた伏波ふくは将軍馬援ばえんの子孫で、父の馬粛ばしゅくの代に、官を退いて、馬騰を生んだのである。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
傍らに建ててある碑銘ひめいを読んで見ると、これなん漢の伏波ふくは将軍の石像であって、遠き昔、将軍南蛮を征してこの地にいたり、土人その徳を慕ってこれを祀る——と刻んである。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あなたには、十県のろくを与え、子息陳登には、伏波ふくは将軍の職を贈る」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)