伏字ふせじ)” の例文
不幸な言葉は二人の間に伏字ふせじのごとく潜在していたお延という名前に点火したようなものであった。お秀はそれを松明たいまつのように兄の眼先に振り廻した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
道に当りて高いもの——という伏字ふせじだ。蜀のぞくを喰いながら、こんなことを平気で説いていたのである。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)