仕留しと)” の例文
外套掛がいとうかけには、袖口のすりきれた薄地のコートが、仕留しとめられたケモノの皮のように、あわれなようすでグッタリとつるさがっている。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そこへ単身徒歩で登場して牛に直面し、機を見て急所へ短剣エストケの一撃を加えて目出度めでた仕留しとめるのが、3のマタドウル・デ・トウロスだ。このとどめをさす役が、闘牛中の花形エスパダなのである。
「どうかしたのか?」と、不意に父がいた。——「鴉を仕留しとめたのかい?」
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
「承知致した、貴殿ならびに近藤氏はこれに待ち給え、仕留しとめて参る」
「怪しいものを仕留しとめたから、ちょっと来てくれ」
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)