人外じんがい)” の例文
俺は同盟からはずれてしまった。俺は人外じんがいちた、蛆虫うじむし同様になってしまった。もう明日から人にも顔は合わされない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
だが、いくら人外じんがい生物いきものとて、煙となって立昇る筈はない。そこには何かしら人目をくらます欺瞞ぎまんがあったのだ。それがどの様なものだかは、やがて判明する時があるだろう。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
幽霊とは人間の化けたもので妖怪とは人外じんがいかいである。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
母屋おもやとは遠くへだたっているし、浴場の構造が、自然の岩をそのまま使ってあったりするので、人外じんがいの境に、生れたままの男女が、たった二人、ポツンと向き合っている感じであった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
どんな悪い人間にしろ、仮りにも親を殺そうと考えるなんて、何という人外じんがいだ! 早くそんな不吉な妄想を振い落してしまおうと思った。そこで、この極悪非道の慾望が、意識下に幽囚された訳だ。
疑惑 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)