人品骨柄じんぴんこつがら)” の例文
焚火の火が赤々と燃え上るにつれて、集まったやからの人品骨柄じんぴんこつがらが、こちらの暗いところの神尾主膳の眼にはっきりわかる。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もともとこの男の人品骨柄じんぴんこつがらは、いやしくない。立派な顔をしている男ほど、借金を多くつくっているものである。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
二三軒隣では、人品骨柄じんぴんこつがら天晴あっぱれ黒縮緬くろちりめんの羽織でも着せたいのが、悲愴ひそうなる声を揚げて、ほとんど歎願に及ぶ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「まことに、関勝かんしょうとは、聞きしにまさる武人ではある。ちかごろ稀れに見る人品骨柄じんぴんこつがら
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と背を撫でているのは、その人品骨柄じんぴんこつがらのよい覆面の侍ではなくて、その若党ともおぼしき覆面をしない侍でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)