二股坂ふたまたざか)” の例文
可哀かわいやの、姉様あねさまたち。わしもとを離れてもの、蜘蛛男くもおとこに買われさっしゃるな、二股坂ふたまたざかくまいぞ。」
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
織次は、飛脚に買去かいさられたと言う大勢の姉様あねさんが、ぶらぶらと甘干あまぼしの柿のように、樹の枝に吊下つりさげられて、げつろしつ、二股坂ふたまたざかさいなまれるのを、目のあたりに見るように思った。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あれはの、二股坂ふたまたざか庄屋しょうや殿じゃ。」といった。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)