事実譚じじつだん)” の例文
裸形にしてただ腰のまわりに、草の葉をまとうていたとある。山姥やまうばの話の通りであるが、しかも当時の事実譚じじつだんであった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
で、普通の日本人の考慮かんがえから云うと、殺した方の人が化けて出るというのは、と理屈に合わぬようにきこえるが、何分にも其処そこが怪談、万事不可思議の所が事実譚じじつだん価値ねうちであろう。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)