乳鉢にゆうはち)” の例文
発明家のエデイソンがある朝、自分の実験室で、何かとび色の薬料を乳鉢にゆうはちのなかで混ぜてゐると、そこへ美しい令嬢が訪ねて来た。
令嬢は舌の先でこの発明家の事業をたすける事が出来たなら、こんな結構な事はないと思つてゐたのだ。エデイソンは小匙こさじ乳鉢にゆうはちの薬料を一寸しやくつた。
「解りませんな。それを今私が研究中なんです。」発明家はまた乳鉢にゆうはちを手にしながら言つた。「だが、ある男なぞは、この薬で馬を百匹も殺したと言ひますよ。」