九郎右衛門くろうえもん)” の例文
みよしからだみごえをかけたのは、この船の張本ちょうほんで、龍巻たつまき九郎右衛門くろうえもんという大男だった。赤銅しゃくどうづくりの太刀たちにもたれ、南蛮織なんばんおりのきらびやかなものを着ていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃアひとつ、北国路へでもいって、あの敦賀津つるがつの海にべんがらをおッ立てている、龍巻たつまき九郎右衛門くろうえもん合体がったいして、こんどは海べのほうでも荒してやるか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
窓をはなれて、重いをギーとひらく。と、待つおそしの勢いで、飛びこんできた九郎右衛門くろうえもん、片目をおさえたまま、呂宋兵衛るそんべえ寝台ねだいの上へ、ゴロリとあおむけに寝てしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)