主宰しゅさい)” の例文
『革新』という本位田先生主宰しゅさいの雑誌から原稿を書くようにと云って来ているので、それへ断りの手紙を書きに一寸起きています。
(黒川博士の専攻は心霊学などには全く縁遠い実験心理学であって、こういう妙な会を主宰しゅさいしていられるのは、先生の道楽に過ぎないことを、君も多分知っていると思う)
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あれは蜥蜴とかげではありません。天地を主宰しゅさいするカメレオンですよ。きょうもあの偶像の前に大勢おおぜい時儀じぎをしていたでしょう。ああ云う連中は野菜の売れる祈祷の言葉をとなえているのです。
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
主宰しゅさいを神とすれば、彼等は神の直轄ちょくかつの下に住む天領てんりょうの民である。綱島梁川君の所謂「神と共に働き、神と共に楽む」事を文義通り実行する職業があるならば、其れは農であらねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)