主人やど)” の例文
私には何にも判りません、——主人やどが亡くなる二三日前から、どうも危ない、このままで居るとどんな事になるか解らないから、これを
……主人やどはあの方とお附き合いしてはならんと申しましたのですけれど、あたくし無理に頼み込んでとうとう説き伏せましたのよ。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私といふものある前で、主人やどまでが品評め。お前なんぞはそちらの隅にと、いはぬばかりの誉め方を、致した事もござんすが。誉れは、結句譏りの基因もと
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
主人やどは国事に頭を使つてゐるから、家庭では成るべく気をつかはないやうに静かにさせてゐる。とりわけ食事は女中任せには出来ないから」といつて手製のオムレツばかりを頬張らせてゐるさうだ。
私には何にも判りません、——主人やどが亡くなる二三日前から、どうも危ない、此儘で居るとどんな事になるか解らないから、これを
あの日錢形の親分さんが不動樣に參詣にいらしつたと聽いて、私は一人で決めて飛んで行きました。主人やどはもうろくな口もきかないほど心配して居ましたし、私はあの結び文を
「八五郎さんにお願して、錢形の親分にお頼みしたと話すと、主人やどは、——さうか、仕方があるまい、あの符牒ふてふだけでは、見る人が見なければ判る道理がないから、——と申して居りました」