両脇りやうわき)” の例文
旧字:兩脇
夜の更けかゝつた風が、泣きたい思ひの私の両脇りやうわきを吹いて通つた。私は外套のそでき合せ乍ら、これからどうしようかと思つてたゝずんだ。
良友悪友 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
そして二人は、その両脇りやうわきに坐りました。蓉子ようこさんは、いつものお母様の場所に、ごはんのおひつを置いて坐り、その側へ耕一君が並びました。
母の日 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
黒坊主黒坊主と言つて私を嘲弄てうろうしたことを、それから私が黒坊主と言ひそやされる反動で、奇妙な病気から鼻の両脇りやうわきに六つの小鼻が鈴生すずなりに累結してゐる子供を鼻六ツ々々々と言つて泣かせ
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)