不漁ふれふ)” の例文
ゆゑに、どんな不漁ふれふときでも、打石斧だせきふを五六ぽんつてかへらぬことくらゐである。
片隅の本箱の上に積んだ原稿紙を五六十枚つかんで来て、懐から手帳を出して手早く頁を繰つて見たが、これぞと気乗きのりのする材料も無かつたので、「不漁ふれふだ、不漁だ。」と呟いて机の上に放り出した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)