上躯じょうく)” の例文
狂うばかりに咲き乱れたる白菊の花束を、ひるがえるそでの影に受けとって、なよやかなる上躯じょうくを聴衆の前に、少しくかがめたる時、高柳は感じた。——この女の楽をいたのは、聴かされたのではない。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)