一閃いつせん)” の例文
たちま一閃いつせんの光ありて焼跡を貫く道のほとりを照しけるが、そのともしび此方こなたに向ひてちかづくは、巡査の見尤みとがめて寄来よりくるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まさに紫電一閃いつせんです。いきなり横合から斬りかけた一刀、闇をつんざいて肩口へ來るのを
矢張り黙つた儘で、一閃いつせん偸視ゆしを自分に注いで、煙を鼻からフウと出す。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)