一知半解いっちはんかい)” の例文
ところが外部の人ことに一知半解いっちはんかいの旅客などの地名の呼び方は勝手至極なものであって多くは文字に基いて智慧ちえ相応の呼び方をしている。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この手紙を書いたどこかの女は一知半解いっちはんかいのセンティメンタリストである。こう云う述懐じゅっかいをしているよりも、タイピストの学校へはいるために駆落かけおちを試みるに越したことはない。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
新聞や雑誌での一知半解いっちはんかいはいかぬ。何でも書物を大切に学び、いたずらに多く論ずるよりも、少なくして正しく論ずればい。一日に一時間か二時間を費やせば十分の知識を得られる。
吾人の文明運動 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
今日の一知半解いっちはんかいなる婦人論者、世のいわゆる新婦人論者とかいうものはこの根本を無視して往々自然をやぶり、婦人の温良貞淑、優美なる性情を損い、しかしていたずらにこれを野卑なる情欲に導き
現代の婦人に告ぐ (新字新仮名) / 大隈重信(著)