“ミコトモチ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:みこともち
語句割合
18.2%
御言詔伝達9.1%
伝言者9.1%
御言伝宣者9.1%
御言執行9.1%
御言実行者9.1%
御言持9.1%
御言葉伝達9.1%
御言詔持9.1%
詔旨伝達者9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尚一つ閑却出来ないのは、此臣たちは同時に部曲の頭で、伴部のミコトモチであることだ。さすれば、部下に対しては宣詞——宮廷に対しての寿詞なる——を宣する権能を持つてゐた。
舎人・采女は、宮廷の現神——天皇は、神の御言詔伝達ミコトモチであり、又時には、神におなりになる——に仕へ、任終へて、地方に帰るに及んで、宮廷の信仰は、地方に拡つたのである。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其が後には、天皇の為に、更に御言詔伝達ミコトモチを考へて来た。かうして、実権は次第に、低い位の者の手に下つて行き、武家時代には所謂、下剋上——易経の語を借りて——と言ふ事が、現れて来る。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが、私は、のりとが神及び神自体カムナガラと信ぜられた人、並びに、其伝言者ミコトモチの発する詞章を、意味するものと考へてゐる。根本は神よりのりくだすことばである。
高御座 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だから、御言伝宣者ミコトモチは、選ばれなくてはならなかつた。まつるの語根まつは、期待の義に多く用ゐられるが、もつと強く期する心である。焦心を示す義すらあつた。
神の代理者即、御言執行ミコトモチとして神言を伝達すると共に、当然伴ふ実効を収めて来る意だ。まつろふが服従の義を持つのは、まつるが命令通りに奉仕する、と言ふ古義がある事を見せてゐるのである。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
神の代理者、即、御言実行者ミコトモチの信仰が、まづ知られねばならぬ。にゝぎの命は、神考カブロギ神妣カブロミのみこともちとして、天の下に降られた。
村々の祭り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かうした人々の事を、御言持ミコトモチといふ。此意味で、天子様も御言持である。即、神の詞を伝達する、といふ意味である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此は御言葉伝達ミコトモチの職をつとめたからである。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そこで、日本には中臣といふ御言詔持ミコトモチが出来た。此中臣は、天子様と群臣との中間に居て、天子様の御言葉を、群臣に伝達する職のものである。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
併し、天子は、此時遠くより来たまれびと神であり、高天原の神でもあつたのだ。さうして、現実の神の詔旨伝達者ミコトモチの資格を脱却せられてゐる。