“わたしごや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
渡船小屋66.7%
渡小屋33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渡船小屋わたしごや雁木がんぎがずつと川に延びて行つてゐた。そこには船が一隻つないであつた。人が五人も六人も乗つて、船頭の下りて来るのを待つてゐる。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
其方そつちを振向くと、丁度ちやうど、今二十はたち位になる女が、派手な着物を着た女が、その渡船小屋わたしごや雁木がんぎの少し手前のところから水へと飛込んだ処であつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
土手にはところどころ松原があったり渡船小屋わたしごやがあったり楢林ならばやしがあったり藁葺わらぶきの百姓家が見えたりした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
やがて橋場のわたしに至るに、渡小屋わたしごやの前(下巻第五図)にはりょうにでも行くらしき町風まちふうの女づれ、農具を肩に煙管きせるくわへたる農夫と茅葺屋根の軒下に行きちがひたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)