“ようしゅん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
陽春66.7%
楊春33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、それとは反対に、春になっても、福寿草の花が咲かないと、陽春ようしゅんの季節を迎えた気分にはなれないのです。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
赤と青と黄、それから紫に桃色に水色に緑というような強烈な色彩の蝋紙ろうがみが、あたりに散ばっていた。何のことはない、陽春ようしゅん四月頃の花壇かだんの中に坐ったような光景だった。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また白花蛇楊春ようしゅんは、蒲州ほしゅう解良かいりょうの人、大桿刀おおなぎなたの達人だった。腰は細く、ひじは長く、綽名あだなのごとき妖蛇の感じのする白面青気の男である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おい楊春ようしゅん。どうもこの頃は、さっぱりじゃねえか。……陳達ちんたつはまだ岩窟いわやの中で寝こけているのか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らの仲間うちでも“虎は平伏した餌食えじきは食わぬ”ということわざを知っている。「——九紋龍の度量はそれなんだ」と、楊春ようしゅん陳達ちんたつも、朱武しゅぶも以来すっかり史進に心服してしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)