“ゆのみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
湯呑100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男振おとこぶりはよし気前はよし、今にあの方は出世をなさるに相違ない、その時はお前の事を奥様とでもいふのであらうに今つから少し気をつけて足を出したり湯呑ゆのみであほるだけはめにおし人がらが悪いやねと言ふもあり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一緒に食べ物に箸を突っ込んだり、一つ湯呑ゆのみで茶を呑んだりした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
上を向いて息を吸わぬように心がけて、まず、あたりを撫で廻してみると、やわらかい友禅の炬燵こたつぶとん——ぬくみがある——四、五冊の草双紙——コロコロと湯呑ゆのみ茶碗が手にふれて転がった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
背の高い女の子は出て行つて、めい/\、私には何だかわからないが何人前もの食物を載せた、そしてそれ/″\のお盆のまん中に、水差みづさし湯呑ゆのみが載つてゐるのを持つて直ぐに戻つて來た。
間もなく又一人、前よりも美しい娘が入来って枕頭に水入の銀瓶と湯呑ゆのみとを置いて行くのであった。
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「アラ。病気や何かで、すっかり忘れていたわ。」と君江は棚の上に載せたままにして置いた角壜かくびんの火酒を取りおろして湯呑ゆのみにつぎ、「グラスがないからこれで我慢して下さい。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして、看板女かんばんのおきんに茶をくませて出したが、その湯呑ゆのみの下に、案の条、二朱包んであった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おかゝのでんぶのふたものをけて、さあ、るぞ! トンネルの暗闇やみ彗星はうきぼしでもろと、クツシヨンに胡坐あぐらで、湯呑ゆのみにつぐと
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と投出すやうに謂ツて湯呑ゆのみを取上げ、冷めた澁茶しぶちやをグイと飮む。途端とたん稽古けいこに來る小娘こむすめが二三人連立つれだツて格子を啓けて入ツて來た。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「今入れているじゃありませんか、性急せわしないだ」と母は湯呑ゆのみ充満いっぱいいでやって自分の居ることは、最早もう忘れたかのよう。二階から大声で、
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)