“やまひだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
山襞93.3%
山褶6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母体の山脈は、あとに退き、うすれ日に透け、またはむれ雲の間から薔薇色に山襞やまひだを刻んで展望図の背景を護っていた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この日は、嘉禄かろく元年の四月の半ばであった。沃野よくやには菜の花がけむっていた、筑波も、下野しもつけの山々も、かすみのうちから、あきらかに紫いろの山襞やまひだを描いていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二つの溪の間へ楔子くさびのように立っている山と、前方を屏風びょうぶのようにふさいでいる山との間には、一つの溪をその上流へかけて十二単衣ひとえのような山褶やまひだが交互に重なっていた。
蒼穹 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)