“もとつね”の漢字の書き方と例文
語句割合
基経100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中御門なかみかどの北、堀川の東一丁の所にあった時平の居館の名で、当時時平は故関白かんぱく太政だじょう大臣基経もとつね、———昭宣公しょうせんこう嫡男ちゃくなんとして、時のみかど醍醐だいご帝の皇后穏子おんしの兄として、権威並びない地位にあった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
移し植えたあやめはとうに花をちぢらせ、釣殿つりどの近くうぐいすの声が老いて行っても、二人の男は通いつづめた。父の基経もとつねは永い間、ほとんど耐えかねていたように、る日、橘を呼んでいった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と、基経もとつねは憂色にとざされ、ものうげにいった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)