“めしべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雌蕊50.0%
雌蕋30.0%
雌蘂20.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと眼をとめた一ばん見事な花の心から、雌蕊めしべをつたはつて、彼女には蜘蛛ほどの大きさにも感じられた醜い一匹の黒蟻が這ひ出して来た。
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
それよりも著しいのは雌蕊めしべの抜け落ちたあと、つぶのまん中に穴があいていて、自然に糸を通すことができた点、それからまた一つは色なりつやなりまるみまでが、かなり子安貝のそれに近かったことである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私はそれらの見知らない花が一せいに、その蜜蜂を自分のところへ誘おうとして、なんだかめいめいの雌蕋めしべを妙な姿態にくねらせるのを認めたような気がした。
燃ゆる頬 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
花弁の内側には白銀しろがねのように輝く針毛しんもうが生えしげり、雌蕋めしべの太さは一抱えもあって、それを取りく黄金の雄蕋おしべは海軍士官の肩章のようによじりもつれて茂っている。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雌蘂めしべに抱かれた一ぴきの虫のように、美沢は、深々と呼吸いきづきながら、
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
草花の雌蘂めしべにはせかえる程の香りがあり、花弁にはルビーのような露が溜り、黄金虫は囁くような恋の唸りや、訴えるような羽音をさせて、花から花、梢から梢へと飛び巡る。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)