“むこうよこちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
蕎麦屋の看板におかめの顔が薄暗く
膨れて、
後から
点ける
灯を今やと赤い頬に待つ
向横町は、二間足らずの狭い往来になる。
黄昏は細長く家と家の間に落ちて、
鎖さぬ
門を戸ごとにくぐる。
「金田の富子さんて、あの
向横町の?」
一つと見えたる長範が二つになってぞ
失せにけりと云うが、あんな
烏金で
身代をつくった
向横丁の長範なんかは
業つく張りの、慾張り屋だから、いくつになっても失せる
気遣はないぜ。
「金田って
向横丁にいる女です」