“みょうちん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
明珍54.5%
妙椿45.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信玄は黒糸縅しの鎧の上に緋の法衣をはおり、明珍みょうちん信家の名作諏訪法性ほっしょうの兜をかむり、後刻の勝利を期待して味方の諸勢をはげましていた。時に年四十一歳。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それは何代目かの明珍みょうちんの作であろうというので、勘十郎は思いもよらない掘出し物をしたのを喜んだという話であるから、おそらく捨値同様に値切り倒して買入れたのであろう。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
応仁二年将軍の近臣斎藤妙椿みょうちんが、乱の紛れに東氏の先祖が拝領した美濃国みののくに山田荘を横領したので、常縁はすこぶる悲しんで一首の歌を詠じたのが妙椿に伝わり、同情を得て取り返すことができた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
これだけでも一部の小説とするに足る。また例えば素藤もとふじの如き、妙椿みょうちんが現れて幻術で助けるようになってはツマラないが、浮浪の盗賊からとにかく一城の主となった経路には梟雄きょうゆうの智略がある。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)