“ほすすき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
穂芒55.6%
穂薄44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その都度つど御米は真丸なふちの焼けた銀の月と、絹地からほとんど区別できないような穂芒ほすすきの色をながめて、こんなものを珍重する人の気が知れないと云うような見えをした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
帰路は夕日を背負って走るので武蔵野むさしの特有の雑木林の聚落しゅうらくがその可能な最も美しい色彩で描き出されていた。到る処に穂芒ほすすきが銀燭のごとくともってこの天然の画廊を点綴てんていしていた。
異質触媒作用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
見わたす限り人間の手があがって、掴もうとする指が、まるでさざなみのように、ひらいたりとじたりするぐあい、じっと見てると、ちょうど穂薄ほすすきの野を秋風が渡るよう……壮観だ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ポカポカと小春日が照りつけ、銀色に光る穂薄ほすすきが波をうちます。
原つぱの子供会 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)